隣室から聞こえてくる異音とその考察について

金属の音がする。

「カン」とも「コン」とも言えない、
金属特有のあの音がする。

音の出どころは、おそらく隣室。

もしかすると上の階かもしれない。
とにかく、すぐ近くだ。

もうかれこれ1時間は鳴り続けている。
アラームにしてはとても悪趣味だ。

不必要に恐怖を煽るような音。
何か得体の知れないモノがいるのでは?
という恐怖。

さっき部屋を出るまでは、こんな音は鳴っていなかった。

本当に――?
ただ、気づかなかっただけなのではないか?
自分を疑ったらキリがない。

雨が降ってきた。

崩れることのないリズムで、
水滴は落ちていく。

相変わらず金属の音は鳴り続けている。

突然、音の種類が変わった。

カーテンごしに聞こえていた雨の音が、
急に何かが立ちふさがって消えてしまった。

何が、そこに、居るのだろう。

こういう時に、好奇心を出してしまうと、
海外のホラー映画のように痛い目を見てしまう。

ここはじっと耐える。

どれくらいの時間が経ったのだろうか。
何かが去った。

止まっていた雨の音が、ゆっくりと聞こえてきた。

先ほどまで、どこか無機質で、
冷たい印象を持っていた雨の音も、
温かい印象に変わっていた。

金属の音もいつの間にか止んだ。

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コメント

  1. さや より:

    怖っ‼
    え、何それ実話ですか?…

    1. yamada より:

      都内は怖い。

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